火室
火室は蒸気機関車 に於いて、ボイラー 内の水 を沸騰させるために、燃料 を燃焼させるための空間です。
火室は、一部がボイラーの内部に入り込むように配置されています。
また、ボイラー内部を貫通して反対側の煙突付近まで伸びる煙管の集合体が取り付けられているのも特徴的であり、熱風と煙はそこを通過します。
石炭焚きの火室の場合、運転台 には焚口戸があり、これを開けて石炭をスコップで投炭 することができます。
投炭する時以外は、ブローバックを防ぐため、焚口戸は可能な限り閉めたままにしてください。
ブローバックとは、熱風と煙の流れが逆流して運転台に火炎が吹き込み、乗務員に致命的な傷害を与える可能性がある危険な現象です。
これは、焚口戸を開けたままトンネルに入ると発生します。
石炭に点火するには、ライター を使用してください。
水を沸騰させるためには、火室内を高温にする必要があります。
火室内の温度は、温度計で測定します。
火室は、必要な量の蒸気を発生させるために、必要なだけの温度に保つ必要があります。
常に不必要に高温に保てば、燃料の無駄な消費 につながります。
火室の温度は、火室内の石炭の量と通風量で制御します。
燃焼する石炭が無くなれば火室内の温度は下がり、通風量が十分であれば石炭を投入することで温度は上昇します。
通風量は重要であり、これは蒸気がシリンダーに送り込まれているかどうかとその量 によって決まりますが、ブロワーやダンパー の操作で調整することも可能です。
火室を常に石炭で一杯にするのは、必ずしも最良の選択とは限りません。
通風量が少なく、それに対して石炭が多過ぎると、燃料効率 に悪影響を与え、未燃焼の石炭粒子が大量に煙突から吹き出される結果となります。
その結果、排出される煙の色は黒色に近くなります。
一方で、石炭の量に対して通風量が適正であれば、石炭は完全燃焼に近い状態になり、煙の色は白色に近くなります。
火室内の石炭の量をより正確に制御するために、運転士は給炭量の少ないエキスパートスコップを使用できます。また、火室の焚口戸の隣にある石炭排出レバーを使用して、余分な石炭を捨てることもできます。
Coal in fireboxes can be dumped manually, with the coal dump lever found next to the firedoor.